パーキンソン病について
パーキンソン病とは・・・
脳内の黒質という場所にある神経細胞が変性したり無くなったりして、黒質で作られるドパミンという神経伝達物質が減少することで、脳から全身に出される運動の指令がうまく伝わらなくなり、体の動きが不自由になる病気です。
パーキンソン症候群とは、パーキンソン症状を呈するパーキンソン病以外の疾患の総称です。薬剤性パーキンソニズム、脳血管性パーキンソニズム、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症のパーキンソン型、大脳皮質基底核変性症、特発性正常圧水頭症などが含まれます。
<パーキンソン病の主な原因>
黒質のドパミンを作る細胞がなぜ減るのかはまだよくわかっていませんが、
脳内のある部分に、タンパク質が溜まることと関係があると考えられています。
<パーキンソン病の症状>
①特徴的な初発症状は、ふるえ(振戦)です。中には痛みで発症する症例もあり、五十肩だと思って治療していたが、そのうち振戦が出現して診断がつくこともあります。
②動作が遅く、スローモーションを見ているようで、椅子からの起立時やベッド上での体位変換時に目立つことが多いです。表情は変化に乏しく(仮面様顔貌)、言葉は単調で低くなり、何気ない自然な動作が減少します。
③睡眠障害(昼間の過眠)、自律神経障害(便秘、頻尿、発汗異常、起立性低血圧)、臭覚の低下、痛みやしびれ、浮腫など様々な症状を伴うことが知られています。
④筋強剛(固縮)とは関節を曲げ伸ばしするときに強い抵抗を感じることで、頸部や四肢の筋にみられます。他動的に関節を屈伸するときに連続的な抵抗を感じる筋強剛と、規則的な抵抗の変化を感じる歯車様の筋強剛があります。
⑤同時に二つの動作をする能力は、初期から低下します。例えば、お盆にのせたお茶をこぼさないよう気を配ると足が出なくなる、クラッチを踏みながらギア操作をするマニュアル車の運転が難しくなる、等です。これは運動に限らず思考にも当てはまり、パーキンソン病では一つのことに意識を集中すると、他のことに気を配れなくなる傾向にあります。
⑥歩行は前傾前屈姿勢で、前後にも横方向にも歩幅が狭く、歩行速度は遅くなります。症状が進むと、歩行時に足が地面に張り付いて離れなくなり、いわゆるすくみ足が見られ、方向転換するときや狭い場所を通過するときに目立ちます。
⑦姿勢反射とは、体が傾いたときに足を出して姿勢を立て直すことです。姿勢反射障害は、ある程度進行すると出現し、足がサッと出ないためバランスを崩して倒れることが多くなります。 姿勢反射障害が頭頸部に出現すると、うなずくように頸を立てに振る動きが多くなります。
パーキンソン病は片側の上肢または下肢から発症し、2~3年すると反対側にも症状が現れますが、長年経過しても、左右差を認めるのが普通です。振戦で発症すると進行は遅く、動作緩慢で発症すると速い傾向があるようです。
記憶力は良いが、思考が遅くなり、自ら考えようとせず他人に依存的となりやすくなります。幻覚に対する周囲の対応が適切でないと、妄想に発展して生活が混乱し、運動症状以上に日常生活を阻害することがあります。また、覚醒レベルの急激な低下による意識消失を伴うこともあります。
<パーキンソン病の治療>
薬物療法
治療の基本は薬物療法です。不足しているドパミンを補うことで症状を緩和する補充療法薬です。したがって薬を服薬しているときは症状が良くなりますが、服薬を止めれば症状は元に戻ります。
手術療法
パーキンソン病治療の基本は薬物療法ですが、薬では限界のある患者さんや、副作用で薬が飲めない方などに対しては、手術療法はさらなる治療の選択肢となります。パーキンソン病では、手術療法を行っても病気を完全に治すことはできませんが、症状の改善や、薬の量を減らすことが期待されます。
音楽療法
半数以上のパーキンソン病患者さんにうつや不安、睡眠障害などの精神症状がみられることが報告されています。音楽には、自然と人の心を癒す効果があります。音楽療法で精神状態が改善されるメカニズムはまだ明らかではありませんが、音楽が本来もっている癒しの効果が情緒面に作用した可能性が考えられます。
一定の音リズム(メトロノーム音)に、メロディー(クラシック音楽など)を重ね合わせた音楽を聴くだけで、腕の振りや歩幅が大きくなるなど、歩行障害に改善傾向が認められることが明らかになりました。
さらに、音楽療法を行った後、普通に歩いた場合でも、両手を大きく振り、力強い足取りで歩けることから、歩行障害の改善傾向は持続することも明らかとなっています。
曲を楽しみながら動かずとも簡単に音リズム刺激が得られるため、患者さんにとって続けやすいリハビリといえるでしょう。
<訪問マッサージ訪問はり灸専門かおる治療院の施術>
○関節の拘縮に対してマッサージ・はり灸を行い、拘縮の進行を遅らせる、あるいは改善をしていきます。
○音楽に興味のある患者さんには、本人の好きな音楽を流しながら施術を行っています。精神状態を落ち着かせながら、リラックスして施術を受けてもらっています。
○患者さんの状態に応じて、座位、仰臥位などでの姿勢保持、リハビリを施術中に取り入れ、拘縮や廃用を防ぎ、改善させます。